Gibson Custom Shop L-7 その2
2016年 03月 20日
Kent Armstrong製のフローティングピックアップを付けるとポストクラシカルな雰囲気が強く出て
見栄えは最高なのだが、ピックガード上のボリュームポッドが手に当たり邪魔でしかたなかった。
以前はマイクとラインを同時録りしてDAWでミックスしていたのだが、
最近はマイク一発で録ることが多く、L-7をアンプに繋いで弾くことは滅多にない。
ということから、試しにピックガードを外してみたところ予想通りスムーズにリズムが刻める。
ボリュームポッドが無くなったことで右手の自由度が大きく上がり、
ピックアップを外したことで弦に対しピックが深く刺せるからアッタクの幅も広がる。
これで万事OK!なんだけど、穴の空いたピックガードをそのまま付けているのは忍びなく、
リペアーショップにピックガードをオーダーすることにした。
Custom Shop L-7のピックガードは5層貼り合わせの斜めカット、
これだとちょっと殺風景な気もするので、同じオーダーするのであればエッジはセル巻にしたい。
本体のセルは少しイエローがかっているので色合わせした5層巻がベストだろう、、、、
などと極めてパーソナルな想いに耽る日々が続く(笑)
目を疑いたくなるような見積りで唖然としながらも発注したが、
後日、「L−5用のピックガードが合いそうなので、よろしかったら見に来てください」と
馴染みのショップより連絡があり、早速ミナミまで足を運んだ。
「ええやん!」それは寸法もほぼ同じで希望通りの5層セル巻なのだ、
オーダーに比べ価格も五分の一だから堪らない。
物品の価格差は、そこに纏わる人件費のウエイトが大きい。
今や量産効果だけで新興国の人件費に太刀打ちできるものではなく、
圧倒的なプライオリティーがないと、もう日本での物作りは難しいのかもしれない。
今回買ったピックガードはUSテキサス製であるが、低賃金の移民さんがせっせと手作りしたものかもしれないなぁ、、。
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久しぶりに素晴らしい映画をビデオで観た。
マリア・マルタ・アルゲリッチのドキュメント映画「 BloodyDaughter』(原題)
グールドと同じくらい沢山のCDを持っているお気に入りのピアニスト。
これほど世界評価が高いピアニストはそう多くない。
ともあれアルゲリッチを悪く言う人を自分は知らない。
予想に反し、すごく気さくな人なんだなぁ。
ハイソサエティの中でも最も上流に暮らす人だろうけど、
場所構わず靴下脱いで足のひらを手で揉むし、バナナの皮は灰皿に捨てるし
千日前を普段着で歩いているオバサンとなんら変わりはない(笑)
嘘のないリアルな生き様を貫き通した半生が滲み出たかのような風貌はただならぬオーラーが漂う、
この映画を観て今まで以上にアルゲリッチが好きになった。